刈谷市美術館「深堀隆介展 平成しんちう屋」を見てきました

深堀隆介展

愛知県出身で交流もあり、身内気分で応援している深堀隆介さん。刈谷市美術館での展覧会があったので見てきました。

金魚絵師「深堀隆介さん」とは

愛知県出身の現代美術家・深堀隆介さん。テレビや雑誌などメディアなどで取り上げられることも多く、作品を見れば「知ってる!」と思う方も多いハズ。そんな彼の展覧会が刈谷市美術館で開催されています。

極めて独創的な深堀の技法は、器の中に樹脂を流し込み、その表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ部分的に描いていき、さらにその上から樹脂を重ねます。その作業を繰り返すことにより、絵が重なり合い、まるで生きているかのような金魚が表現され、圧倒的な立体感をもって観るものに迫ります。
その生き生きとしたリアリティは平面である絵画作品と立体作品の境界に揺さぶりをかける革命的絵画と言えるでしょう。こうした一連の金魚作品によって、国内はもとより今や世界的に高い評価を受けています。また、近年ではライブペインティングやインスタレーションにも力を入れ、ますます表現の幅を広げています。
(刈谷市美術館公式サイトより)

展覧会の感想

大学時代の作品からはじまり(よくとってあったな…)金魚をモチーフとした作品へと集束していく様子が時代を追って展示されていて、深堀さんの作家業をたどることのできる展覧会でした。

平面作品では色使いの奥深さと金魚のヒレの表現の繊細さにときめきます。クロッキー・スケッチの展示もあってあのその…有名になるって大変だなって思いました。自分に置きかえてごらんよ…途中のものを見られるのすごいアレじゃないか。 

東日本大震災の遺留品を使った作品は胸がつまってよく見られなかったです…。ただ「見た」だけの私でさえこれなのだから、作った作家本人の心中はいかほどだろうと。それでも真摯に向き合って作っているから見る人の胸がぐわんぐわんするのだろうと思いました。

代表作とも言える「金魚酒」の展示が1室にまとめられていて見ごたえがありました。年代を追うごとに技術がぐんぐん上がっていくのが見てとれて興味深かったです。ひとつのことを極めるってすごい。特に2015年ごろからの作品は立体感がすごいすごくて小さな枡の中で水のたゆたう感じがとてもすごいです(語彙)実際に見ていると、ふわあと水の中に誘われるような感じがあって引き込まれます。すごい。

さくらももこさんが所蔵している作品もありました。2014年発行のさくらももこ編集雑誌「おめでとう」で見ていたので知ってる子に会った感じ。キャプションでお悔やみの言葉が添えられていてしばし故人を偲びました。

2階で展示されていた新作「平成しんちう屋」では水の流れの凸凹とかどうやって作ってるんだろうと思ったり、ビニール袋を模した作品は裏側からも見れるので、セル画の裏を見るような感じで面白かったです。 

深堀隆介展f:id:satouimoko:20181031224545j:plain深堀隆介展
この作品は写真撮影OKだったのでたくさん撮ったのに、作品の裏側の写真がない…ざんねん

ロビーの作品も撮影OKでした。
これは展覧会会期中に行われたライブペイントの屏風。躍動感がすてきね

深堀隆介展

ロビー正面

美術館玄関の墨絵。かわいい

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ロビーでは制作風景のVTRの展示もあり、樹脂を流し込む瞬間に息を飲みました。ハッとする美しさなので、もし展覧会に行かれたらぜひ映像も見てほしいです。

なんと!!展覧会は114日まで。この記事を読んで興味を持ったかたは次の日曜までですからね!さあ今すぐスケジュール帳に書き込むんだ!!!!

 

金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋|刈谷市|刈谷市美術館

 

グッズなど戦利品

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ミュージアムショップではグッズの販売も。手ぬぐい、クリアファイル、ポストカード、帽子(夫の)などを購入しました。

この他に図録(作品集)も購入。作品の写真も美しいし、巻末の対談がとても良かった。今まで名乗っていなかった「金魚絵師」という肩書を展覧会につけた覚悟、現代美術の傾向とご自身の作風について、学生時代の話などもあり読み応えがありました。本屋さんでも買えるのでぜひ読んでみてほしいです。 

 

お茶室もおすすめ!

刈谷市美術館のとなりにはお茶室が併設されています。展覧会にちなんだお菓子をいただくことができるので、美術館鑑賞後はこちらも楽しみましょう!

外観

刈谷市美術館茶室

細部にもこだわりが

刈谷市美術館茶室

お庭

刈谷市美術館茶室

オリジナル和菓子「唐紅」。深堀さん命名だそうです。
中に金魚が泳いでいてかわいい!

刈谷市美術館茶室

和菓子大好きなので、嬉しいおもてなしです。
なおわたくし、お茶の心得はまったくないもよう……(汗)

 

さいごに

仕方ないんだけど、つい思ってしまうことは「10年もたつと樹脂って黃変するんだな〜〜〜!」ってことでした。金魚の一瞬のきらめきを閉じ込めた作品が、支持体の劣化から逃れられないというのはなんとも皮肉なことだよ。

アクリル樹脂は美術作品に使われるようになってからの歴史が浅いので、保存の技術というかそもそもどう変化するかの研究もまだこれからだろうし。美術作品の保存は経年劣化との戦いであるなあと思わされました。

でもね、古いものは黄変どころか茶色くなってて琥珀のようにも見えました。琥珀の中に昆虫が閉じ込められてるみたいに金魚が……それはそれで良いか!琥珀だってもとは樹脂なわけだしね。

時を経るというのはなかなか難しいことですなあ。

 

 深堀さんのサイト
金魚養画場 美術作家 深堀隆介オフィシャルサイト RIUSUKE FUKAHORI Official site

 

 

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